ウィルシステムデザイン プロジェクトアーカイブ

星の登場を感動的に演出しよう・その1

プラネタリウムのイベント出張上映で一番盛り上がるのは、実は日の入りと日の出のシーンだったりします。
上映の最初、太陽が沈んで夕焼けからだんだん星空に変わっていくシーンでは、よく歓声があがります。
そしてエンディング、だんだん明るくなって星が見えなくなり、朝焼けに包まれた空に太陽が昇ってくる。ここも静かな感動ポイント。
まあこれには賛否あるでしょうし、日の入りと日の出の間を中だるみで飽きられないようにすることも求められるわけですが。
でも、やはり「つかみ」は大事。
今回は、スクリプト制作実践編ということで、観客を満天の星の世界に誘う感動的な日の入りの演出を考えてみましょう。

ポイントは次の2つ。どちらも難しくないです。
1 速度にこだわる
2 BGMにこだわる

今回は、1の速度について解説します。
これは、時間の進め方のことです。たとえば2分かけて16時から20時の空に変化させていくとします。
すると、太陽が沈んで夕焼けが広がって、星が見え始めて、やがて満天の星空になります。
では、この演出をNightshadeスクリプトではどう書けばいいか、わかるでしょうか?
答えはこちらです。

timerate rate 120
wait duration 120
timerate rate 0
script action pause

4時間(240分)を2分の日周運動で経過させるので、レートは240÷2=120です。
そして、2分間(120秒)待てばOK。
2分経過したら日周運動を停止して次のシーンへ、という感じです。

ただ、これだと普通すぎる。
私は、こんな風にアレンジを加えたりしています。

timerate rate 240
wait duration 30
timerate rate 60
wait duration 60
timerate rate 120
wait duration 30
timerate rate 0
script action pause

スクリプトの意味を説明すると、

16時から18時までを30秒で経過させる
(太陽が沈んでいく様子をちょっと早送りで間延びせず見せられる)
18時から19時までを60秒で経過させる
(日の入り後の夕焼け、星が見え始める感動的な時間をゆっくりじっくり見せられる)
19時から20時までを30秒で経過させる
(満天の星たちが空をめぐる様子を見せられる)

という感じ。3つのスピードを使って、このシーンをより魅力的に見せるための工夫です。

もちろん、季節によって日の入りの時刻は変わるので、何時から何時までをどんな速度変化で見せるのかは考える必要があります。
そして、この速度の微調整という工夫に、観客が気づくことは残念ながらほぼありません。
でも、細部にこだわることで、同じ日の入りのシーンでも印象がずいぶん違ってくるものです。
ぜひ独自の「魅せる」アレンジにチャレンジしてみてください。

 

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ウィルシステムデザインについて

 

ウィルシステムデザインは、2004年に設立した個人オフィスです。

2003年、国内ではほとんど普及していなかったプラネタリウム出張上映を始め、これまで全国で数多くの上映会やイベントを手掛けてきました。

現在は上映上映支援に加え、投影機材や関連システムの開発、上映番組やプラネタリウムアプリケーションなどの企画制作を行っています。

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