ウィルシステムデザイン プロジェクトアーカイブ

星の登場を感動的に演出しよう・その2

プラネタリウムのイベント出張上映で一番盛り上がるのは、実は日の入りと日の出のシーンだったりします。
上映の最初、太陽が沈んで夕焼けからだんだん星空に変わっていくシーンでは、よく歓声があがります。
そしてエンディング、だんだん明るくなって星が見えなくなり、朝焼けに包まれた空に太陽が昇ってくる。ここも静かな感動ポイント。
まあこれには賛否あるでしょうし、日の入りと日の出の間を中だるみで飽きられないようにすることも求められるわけですが。
でも、やはり「つかみ」は大事。
今回は、観客を満天の星の世界に誘う、感動的な日の入りの演出を考えてみましょう。

ポイントは次の2つ。どちらも難しくないです。
1 速度にこだわる
2 BGMにこだわる

今回は、2のBGMについて解説します。
これはもう、言わずもがな、ですね。「音楽なくして星空の演出はありえない」と、あえて私は断言してしまいましょう(笑)
シーンにハマるBGMが見つからない場合は、スクリプトや映像を作り直してしまうか、制作そのものを中断してしまうくらい、音に対するこだわりは強いので。
でも、そのくらい音楽は重要な要素です。BGMのチョイスによって、そのシーンの雰囲気はガラッと変わるし、曲が先にありきでコンテンツの企画が生まれることだってあるのです。

ちなみに、NightshadeでBGMを流すスクリプトは、

audio action play filename foldername/filename.wav

と記述します。foldernameとfilenameは、それぞれファイルのあるフォルダパスと名前が入ります。音源ファイルはwavでもoggでもOKです。

ケーススタディとして、実際にスクリプトを実行させた動画を下に並べておきます。

BGM無しの日の入り

BGM入りの日の入り・落ち着いた感じ)

BGM入りの日の入り・感動的な感じ)

さて、みなさんはどの日の入りをプラネタリウムで見たいですか?無音がいい!っていう人はさすがに少数派でしょう。
やっぱり、音楽が入ってる方が雰囲気が出ますよね。
そして、BGMの選び方ひとつで、同じ映像でも全く違う印象になることがわかると思います。


そして最後にもうひとつ。私が投影中に気をつけていることは、
「このシーンの時間帯にしゃべりすぎない」
ということ。

せっかく映像と音楽で素敵なシーンを演出していて、観客もその雰囲気を楽しんでいるときに、
やれ
「今日の日没は何時何分、薄明の終わりは何時何分ですが、天文薄明というのもありまして…」
とか
「西の空に一番星が見えてきましたが、あれは宵の明星といわれる金星で太陽系の惑星のひとつで…」
とか

ちょっとうるさい しばらく黙ってて

って、私なんかは思っちゃいます(あくまで個人の意見でございます・笑)
「一緒に夜を迎え、星たちの登場を待ちましょう」
の一言でも十分間が持ちますから。

ともすると、自分の知っていること、覚えてきたことをできるだけ披露しがちになりますが、場の雰囲気や観客の様子に応じて、解説を「引き算」で調整する。
あえて多くを語らない間を作るというのも、隠れたひとつの工夫だと思います。

 

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ウィルシステムデザインについて

 

ウィルシステムデザインは、2004年に設立した個人オフィスです。

2003年、国内ではほとんど普及していなかったプラネタリウム出張上映を始め、これまで全国で数多くの上映会やイベントを手掛けてきました。

現在は上映上映支援に加え、投影機材や関連システムの開発、上映番組やプラネタリウムアプリケーションなどの企画制作を行っています。

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