デジタルプラネタリウムを自作する:試作機完成!

ウィルラボ(ウィルシステムデザインの開発ラボ)へようこそ。今回は、全天デジタル投影機自作チャレンジの最終回です。
前回の投稿でご紹介した方法を使って自作した、2台の試作機を紹介します。

まずは試作1号機です。外観はこんな感じ。(さすが試作機、おもしろみのない外観…)

20161014

魚眼コンバージョンレンズは円周(全周魚眼)タイプと広角(対角魚眼)タイプのどちらかを選んで装着できます。
円周タイプのレンズをつけると、ドーム全天に投影できます。

20161014_2

広角タイプのレンズをつけると、天井平面に投影できます。

20161014_3

20161014_4

コンバージョンレンズを使ったことで、1台でドーム投影にも天井平面投影にも対応できる汎用性を獲得できました。
この試作初号機は、すでにいくつかのイベントに投入して試験運用を始めています。

試作2号機は、使用レンズを最新のものに変更して、光学性能のアップを狙いました。
こちらの機材は、私が日頃お世話になっている「星つむぎの村」という団体に提供しており、現在モバイルプラネタリウム投影機として星のイベントで活用いただいています。
星つむぎの村 公式サイトはこちら

20161014_5

基本光学系は、プロジェクター集光部には標準~中望遠のレンズ(なるべく解放F値の低いもの)を、投影部には、コンバージョンレンズの入射領域をいっぱいに使えるように、やや広角のレンズを組み合わせるとうまくいくようです。
もちろん、投影部にコンバージョンレンズを使わずSIGMAなどの円周魚眼レンズを直接使う場合は、広角レンズは不要です。
このあたりは使うプロジェクターやレンズ選定(メーカーやラインナップ)によっても違ってくるので、良い組み合わせを得るには検証が必要です。
プロジェクターは、投影光が上向きではなくてまっすぐ前に出るタイプ、光学シフト調整機能がついているタイプが扱いやすいです。

この2台の製作を通じて、自作投影機構築のノウハウをたくさん得ることができました。
原理や基本的な方法はたくさん情報が公開されていますが、それを応用して実際にシステムにするには、さらに細かな設計やノウハウが必要です。
もちろん、そこまでの細かな情報はどこにもないので、そこから先は自分で体得するしかありません。
レンズひとつとってみても多くのメーカーや種類があり、その組み合わせは膨大です。
そのすべてを検証することはもちろん不可能なので、仕様や基礎実験で焦点距離やF値などの必要なスペックを絞り込み、オークションや中古ショップでレンズを買って検証実験を繰り返しました。自分で買えない高価なレンズを知人や関連会社にお借りしたり、中古カメラを分解してレンズマウントを勉強したりしました。そんな数か月にわたったチャレンジの結晶です。

今後、さらに光学性能をアップさせた実用機製作の検討も進めていきます。
いま、ちょうど最適なレンズ選定を終えたところ。どこに出しても恥ずかしくない投影品質を得られるようにしたいと思っています。

最後に、2003年に完成したピンホール型の自作投影機とのツーショットを。

20161014_6

ピンホール型は10年以上出張上映で稼働しましたが、最近はほとんど出動機会がなくなりました。モバイルプラネタリウムは急速にデジタル化して、星はピンホールから漏れる電球の光ではなく、プロジェクターのピクセルになっています。
そして、自分でゼロから作れる部分は少なくなり、自作=市販の機材を組み合わせる、というプロセスになりました。
すごいクオリティのデジタル投影システムもすでに商品として存在しており、今なら(お金があれば)誰でも買えるようになっています。

それでも、やっぱり自分の使うモノを自分の手で作ってみたいという思いは、今も昔も変わらずです。
やっぱり、自分で考えて作ったシステムは愛着も格別です。これからもじっくりと改良を重ねて自作システムを大事に育てていくとともに、これを使ったビジネスの展開を模索していきたいと思います。

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク