完成したプラネタリウム3号機「Series3」は、さっそくさまざまなイベント会場へ連戦投入されています。今のところトラブルなく順調に稼動していますが、大事をとって投影機のオーバーホールを行いました。
移動を繰り返していると、輸送の衝撃や振動などの影響が出てくるので、そのあたりも総点検です。

まずは恒星電球まわり。北と南の電球の明るさが最近同じでなく、南半分の星空が少し暗めなのが気にかかっていたので、電球の点灯基板をチェックです。
点灯回路はN1(北球メイン)N2(北球スタンバイ)S1(南球メイン)S2(南球スタンバイ)の4系統あるのですが、どうやらS1回路に難アリだったようで、南球をS2回路で点灯させると、北球と同じ照度で明るくなりました。
投影テストをしてみると、今まで不満だった、いて座~さそり座付近の天の川の見栄えがすごく良くなって大満足。定格2Aの専用電球をきちんと点灯させるには、基板内の配線やはんだ付けにも気を配る必要がありますね。不器用な製作者(誰?)にとっては難儀な部分です・・・
あとは、トライアック出力電圧の調整と電球ソケット保持機構改善を南北それぞれ行って、調整完了。
次に緯度軸回転機構のチューニング。
最近、緯度軸がうまく回らなくなっていました。実際の投影で回すことはほとんどないので支障ナシだけど、やっぱ気になるので改善です。
まずはギヤのグリスアップとかみ合わせ調整。
ついでにモーター位置も微調整。
駆動機構各部のビスやボルトを増し締め。
これで可動範囲のスムーズが回転ができるようになりました。

やはり定期的なメンテナンスで自分の作った機械を見ることはとても大切ですね。そうやってじっくり機械と付き合うと、設計のまずさや改善点も見えてきて、次号機のアイデアや製作意欲がわいてきます。まさにこの点が、自作を続けていく醍醐味だろうと思います。
うーん、次号機やりたくなってきた。やっぱりモノ作りは楽しい!
問題は、空っぽのサイフだな(泣)
投稿:Toru Takao | カテゴリ:プラネタリウム3号機「Series3」
今回は投影機自体の開発記録ではなく、投影を支援する自作ソフトウェアをご紹介します。
その名も、「プラネタリウム解説支援システム(Planetarium Show Navigation System 以下PSNS)」!
なにやらたいそうな名前をつけてしまいましたが、別にたいしたソフトじゃありません。自分が投影するときにあったらいいな、と思う機能を盛り込んだツールです。操作画面はこんな感じ。

このソフト、投影解説中にいろいろできるようにしています。
パソコンプラネタリウムが見れます。任意の場所や日時の設定もOK。月や惑星の位置、月齢も表示されるので、これを見て投影機の位置を設定したり投影中の星空を確認したりできます。
テキストファイルを読み込んで表示したり、保存することができます。話したいことや覚えにくい数値データなどを書いておくメモとして使えます。
パソコンにつないだプロジェクタ画面に、好きな静止画や動画をクリック一発で表示させることができます。静止画や動画はあらかじめ自由に登録しておくことができます。
さらに、プロジェクタ画面にマウスでお絵描きができます。線の幅や色も変えられます。プロジェクタ画面をドームに投影しておけば、まさにドームに絵を描いている感じ。星を線でつないだり、○で囲んだり、いろいろ使えそうです。PCをタブレットとかタッチパネルにしておくと、さらにお絵描きしやすくなりそう。
音声出力をスピーカーにつないでおけば、任意の音楽をクリック一発で流すことができます。CDドライブからCDを再生させることもできます。
その他、流れ星(流星群)を飛ばすことができます。オーロラやUFO(笑)なんかのCG動画も、動画さえ用意すればクリック一発で投影できます。
これだけの機能があれば、楽しいライブ投影解説ができそうです。あとは、解説者の力量ってことだな…
最後に、もう一枚写真をご紹介。PSNSを操作して、ドームに投影されたスクリーン(の代わりの液晶モニター)にいろいろ投影しているイメージです。

投稿:Toru Takao | カテゴリ:プラネタリウム3号機「Series3」
「恒星球」
光源(電球)と並んで、ピンホール式プラネタリウム投影機では重要な要素。
投影される星空の質はこの部分で決まると言っても過言ではありません。
金属ボールに細かく穴を空けたり、フィルムに転写したり、製作方法はいろいろありますが、私はフィルムを使う方法を採用しています。(穴あけ作業がなくて怪我しない&楽チンだから!)
で、今回はSeries3用の新しい恒星フィルム球製作をご紹介したいと思います。
実は、2号機の恒星にはいろいろと不満がありました。
天の川の表現がもう少しなんとかならないか?
もう少し等級差のついたメリハリのある星空にならないか?
満天の星空の中でも、もう少し星座が見やすくならないか?
…どれもこれも、ピンホール式では原理的に難しい問題だし、チャレンジして細かく改良したところで、それは見る人にとってどれだけ意味があるのか?ということもありますが。
基本的には2号機の恒星フィルム球をそのまま使っていても問題はないのです。
でも、やっぱり改良の誘惑には勝てなかった・・・
恒星データは位置や等級などの数値として入手できるので、そのデータを解析してOHPフィルムに星を印刷する自作プログラムを改良し、写真製版用特殊フィルムに転写。新しい恒星フィルム球を製作しました。
マニアックな改良その1
ドーム上の正しい位置に恒星が投影されるよう、印刷位置補正のアルゴリズムをさらに改良しました。
マニアックな改良その2
恒星の等級を印刷直径に変換する部分は、有名なポグソンの式をベースにした独自の線形関数(というとカッコイイけど、単にいくつかの区域で分けた一次グラフ…)で処理していますが、さらに等級差をはっきりさせて星座を浮かび上がらせるために、係数や切片定数の値を見直しました。修正量は+0.01とかなんだけど、このビミョーな修正が大きく効いてくるのです。
マニアックな改良その3
天の川はこれまたビミョーです。単に天の川領域(銀緯プラスマイナス何度とかいう範囲)の微光星を増やしても、なんかそれっぽく見えない。銀経によって、あるいは中心部と周辺部で、さらには北半球と南半球で見え方が違うっぽいし。かといってレンズ投影式のようなリアルな表現はできないし…
そういうモヤモヤした思考(笑)を、できるだけアルゴリズムに反映させました。
そんなマニアックな改良で、オリジナル恒星印刷ソフトウェアはバージョンアップしました。たった数十行のプログラムですが、試行錯誤の結晶、貴重な知的財産、門外不出の至宝です。(大げさ)
そのソフトウェアが描き出した恒星プロットイメージ(一部分)がコレ。はくちょう座付近です。ホントはもうちょっと高解像度です。

そして、実際にフィルム製作をしてSeries3で投影したのがコレ。自室の天井にあらわれたはくちょう座です。

前回紹介したはくちょう座付近の投影画像と見比べてみてください。星座も天の川もずいぶんイイ感じになったのではないかな?
さあ、あとはみなさんの反響を待つのみ。もうすぐ、この新しい恒星フィルム球を装着したSeries3の運用が始まります。どうぞお楽しみに!
投稿:Toru Takao | カテゴリ:プラネタリウム3号機「Series3」
新しく設計製作したプラネタリウム投影機「Series3」も、ようやく完成です。
全体を組み上げた状態で各部の調整を行い、稼動可能な状態となりました。
まずはその雄姿(?)をご覧あれ!

Series3は、6月の三重でのイベントに初めて投入されました。
その後は宮城・豊川・川崎・函館…と出張投影で連続稼動。宮城や函館では、4mドームとの組み合わせ投影も行い、その投影性能に問題ないことも確認できました。デビュー早々のフル稼働ですが、がんばってくれています!
思えば、
高校時のチャレンジ機:
地球儀を半分に割ってハンダごてでテキトーに穴を空けた
↓
大学時のチャレンジ機:
惑星棚を作ろうとして指を怪我してやめた&AC電源で電球を点灯できずにやめた
↓
試作1号機:
会社員時代に製作。子どもたちに「雪が映ってる」と言われて即時解体廃棄
↓
完成2号機:
自営業となり、ようやくできたまともな投影機。4年間、全国を一緒に行脚。損傷劣化激しくリタイア・解体
と続いてきたワタクシのダメダメプラネタリウム製作の歴史も、この3号機Series3でようやくひと段落。ピンホール恒星&ステッピングモーター駆動という単純な構造の投影機ですが…ホント、満足しています!
今なら個人でも高機能なプラネタリウム投影機を買えるけど、やっぱり自分で手作りして、うまく星空を投影できたときの喜びはひとしおです。
そして、たくさんの現場経験を積んで独自の投影スタイルができていく。やっぱり思い入れ、愛着の度合いも違ってくるというものです。
ということで、Series3がドームに投影した星空を紹介して、製作記録シリーズを終わりたいと思います。

夕焼けの演出シーン。さそり座が見えています。

南半球の星空。まさに「満天の星」です。

はくちょう座付近、夏の星空です。

オリオン座付近、冬の星空です。
投稿:Toru Takao | カテゴリ:プラネタリウム3号機「Series3」
前回までで、ようやく投影機本体がカタチになりました。
駆動系テストではどうなることかと思いましたが、とりあえずなんとかなって一安心。もうデビュー投影のイベントまで時間がないので、大急ぎでコントローラを製作します。
今回作るコントローラは、投影機の軸回転や朝焼け・夕焼けを操作できるだけでなく、レーザーポインタをAC電源接続できるようにしたり、エアドーム送風機の風量を手元で操作できるようにしたりという機能を盛り込みました。
まずはボックス加工から。お金も時間もないのですべて自分で加工です(泣)
下穴を開け、部品のはまり具合を確かめながら少しずつ形を整えていきます。

そしていろいろと実装、配線。機能を欲張ったので、ボックス内はぎゅうぎゅう詰め…。
AC100V電源を制御するトライアックの発熱が若干気になったので、急遽冷却ファンも増設しました。

本体との接続、操作試験を終えて、フタをつけて、はい出来上がり。
レーザーポインタもつながるようになったので、これで電池切れから開放です!投影機とエアドーム送風機を制御できるほか、汎用100V電源制御も1系統ついています。

さあ、これでいよいよSeries3も完成間近です。最後に各部調整、総仕上げを残すのみとなりました。
投稿:Toru Takao | カテゴリ:プラネタリウム3号機「Series3」
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