自作モバイルプラネタリウム投影機2号機の製作記録|ウィルシステムデザイン

プラネタリウム2号機製作記録|MAKING


2号機

(テキスト・写真ともに、2003年当時のものをそのまま掲載しています)

2号機製作その1:部材調達と一次加工

2002年の6月に完成したプラネタリウム1号機は、やっと「まともな」投影機ができた!と思えた記念すべき投影機でした。高校のときから製作を夢見ては挫折を繰り返してきた自作プラネタリウム、完成したときは喜びもひとしおだったのです。

 

でも、見慣れてくると、やはり「もう少しグレードアップしたいなあ」となってくるもの。

なんせ図面もなく全て現物あわせで組み上げたから、第一に見た目が悪い!そして、肝心の星の映りがイマイチ!もう少し投影機を大型化して、もっときれいな星をたくさん投影したいという欲求が日に日に強くなってきました。

ただ、それにはある程度しっかりした設計と加工精度が必要です。もちろん恒星を映すフィルムも新しくコンピュータプログラムを組みなおして描画・現像処理しなければなりません。その作業の量と、かかるお金を考えると、ちょっと実行に移すには問題がありました。もちろん背後から迫る奥さんの白い眼も・・・(泣)

 

作りたい、でも作れない・・・そんな悶々とした日々でした。さあ、どうする?

 

そんな状況の私を救ってくれたのは、コープやまなし(現・パルシステムやまなし)さんの市民活動助成金制度でした。

「どうしても新しい投影機を作りたい。投影を充実させるためのプロジェクタも欲しい」という一心で応募し、活動助成団体に認定していただきました。まあ少しは身銭をきるけれども、思いがけずめぐってきたこのチャンス、思いきり生かして、一気に設計製作しよう!となったわけです。

 

完成した全体図面。

1号機の「いきあたりばったり」ではなく、ちゃんと図面を描いてから作ろうと思い、テクニカルドローイングソフトを使って作成しました。

ただし、フレーム構造の強度や寸法精度は不明・・・やはり、きちんとした設計をするには基礎から勉強しないとだめなようです・・・

しかしまあ、深刻に考えすぎては前に進めないので、とりあえずこの設計で始めてみることにしました。

この図面を参考に、各パーツの部品加工図をおこしました。アクリル板のパーツは12種22枚になりました。

 

2号機設計の参考と部品取りのために解体された1号機。

使える部品はすべて2号機に流用するため、もう元の姿に戻ることはありません。部材もすべて手切りで工作精度もガタガタでしたが、記念すべき自作初号機なので、使用したアクリル板はすべてとっておくことにしました。

しかし、酷い加工・・・自分の不器用さが情けなくなる(泣)

 

一次加工を終えた調達部材です。自分の不器用さは十分わかっているので、今回はDIY店に図面を持込み、無理を言って加工してもらいました。さすがプロの加工は違う!この見栄えのよさだけで、がぜん製作意欲がわいてきます!

 

そしてこれが、2号機の恒星投影フィルムカバーです。1号機の直径20cmから直径30cmにサイズアップしました。(これがA4プリンタで描画できる恒星原板の限界)

たった10cmのサイズアップですが、ものすごく大きく感じます。どんな星空を見せてくれるのか、今から楽しみだ!

2号機製作その2:二次加工

さて部品調達と一次加工を終えると、次は二次加工です。

 

しかし、この段階までくるのに相当の日数がかかってしまいました。部品購入にしても依頼加工にしても、やはり東京に出なければなかなか進まないということもあって、都内出張などの機会をうまく利用して少しずつ進めていくしかないのです。まあ、普通は買ったり頼んだりすることのないものをやろうとしているわけで、これは仕方ないか・・・

今はインターネットで注文できる機械部品や電子部品の商社と取引させてもらっていますので、ほとんどのものはそのルートで仕入れています。だからアクリル板の加工さえ終わってしまえば、自宅でどんどん製作を進めていけるわけです。

取引商社の担当のかたがたとは直接お会いしましたが、みなさんこの活動を応援してくれて、普通ならできない個人からの発注も快く受けてくれていますので、本当に感謝しています!(この活動プロジェクトにウィルシステムデザインという屋号をつけたのは、商社との取引開始に必要だったということも実はあります・・・)

 

一次加工を終えたアクリル板に、二次加工の寸法を書き込んでいきます。

二次加工は主に自分でできる小さな穴あけになりますが、なにせ数が多いので作業量はけっこうあります。

 

穴位置の寸法を書き込んだら、今度はそこにセンターポンチで印をつけていきます。これも面倒な作業ですが、1号機製作のときにこの作業を怠ったためほとんどの穴位置がずれて、組み上げ段階でたいへんな思いをしました。それを肝に銘じて、ひとつひとつ慎重に処理します。

小指とかが立ってて、ちと気持ち悪い絵になってしまったことについては、どうぞ見なかったことにしてください(笑)

 

いよいよボール盤を使って穴あけ作業です。

穴あけ個数が多いとどうしても作業が雑になってしまうので、少しずつゆっくり仕上げていくようにしました。普通の穴はこのボール盤であけて完成、ビス止め用の穴はまずボール盤で下穴をあけて、タップという工具でネジミゾをきる加工をします。これがまた面倒なのですが、ここはガマンガマン・・・根気よく作業を続けましょう。

 

ようやく二次加工まで終えたアクリル板のフレーム部材。これにモーターやギヤ、軸受けなどの機械部品を取付け、電気配線を行っていくわけです。

ここまでくると、早く完成した形が見たくてうずうずしてきます!

2号機製作その3:主要パーツの組み上げ

いよいよ加工を終えた部材を使って、主要なパーツを組み上げる段階に入ります。

でも、どれだけ図面で確認して精度の高い加工をした部材を揃えても、やっぱり実物で組み合わせていくとうまくいかないところって出てきますね。そんなときは少しずつ削ったり磨いたりして、なんとか現物あわせで進めていくしかありません。まあ、うまくいかない原因のほとんどは自分が作った図面のミスだったりするわけですが(泣)

でも、この段階というのが製作の過程の中で一番楽しいところでもあります。

 

これが星の日周運動や経度変化をさせる部分(日周駆動部)です。中心を通る軸と、その軸をまわすギヤ、モーターはきちんと精度を維持しながら組まないとうまく回転しないので、微調整しながら合わせていきます。

 

こちらは緯度変化をさせる部分(緯度駆動部)のモーター取付け側です。上についているソケットには、夕焼けや青空を表現するカラーランプを取付けます。狭いところにいろいろと電線を通さなければいけないので、不器用な私にはちとツライ… あわてずゆっくり進めましょう。

 

同じく緯度変化をさせる部分のもう一方です。こちら側にはセンサーを取り付けて、軸が回転しすぎて中を通した電線がねじ切れないように、モーターの回転を制御します。

日周の回転(1番上の写真)は、スリップリングと呼ばれる摺動機構(電線ではなく、金属やカーボンを接触させて電力を送る方法。電車の架線とパンタグラフのような原理)を使うので、軸は何周でもぐるぐる回すことができます。

 

日周駆動部と緯度駆動部の製作が終わりました。これを組み合わせると、新型プラネタリウムの中心部がその姿を見せてきます。

まだまだ半分きたところ、くらいですが、ここまで形になるとうれしくなってきて、ますますやる気が出てきます!

2号機製作その4:投影機本体の最終組み立て

主要パーツがすべて組上がったので、全体を組み立てる最終段階です。

もし図面が間違っていれば、ここでボロが出てうまく組み上がらない!ってことになります。けっこうお金もかかってるし(笑)緊張の作業です。

 

どうやら意図した通りの全貌を見せ始めてくれた投影機本体。

まだ恒星を投影するフィルム球部分と架台部分がないので見た目はあまりよくないですが、「メカニックな投影機」という雰囲気は出てますね!

しかし、設計段階からわかっていたこととはいえ、かなり大きな投影機になりました。この図体に見合った投影性能を発揮してくれるといいんだけど・・・

 

これが投影機下部(架台部)です。これは仮組みの段階で、実際にはこの中に制御システム機器を実装、配線していきます。

やはり直径が40cmをこえる架台を厚さ3mmのアクリル板で作るのは無謀だったようで、円板がかなりたわむことがわかりました。急遽サポートの数を増やしてなんとか安定させています・・・

 

架台部の底板に制御機器やダミー基板などを仮置きしたところ。ここが投影機への電源供給やモーター、ランプ制御の中枢部になります。

制御基板や駆動基板はすべて手作りのため、あまりたくさん作ることはできません。今回はバラバラに解体された1号機の基板をできるだけ流用することにしました。

 

スイッチング電源、モータードライバ、制御基板などをすべて実装し、ほぼ配線作業を完了しました。さあ、これで上部をドッキングさせて調整すれば、投影機本体は完成です。

とりあえず投影機メカ部の製作はここで一休みし、次は恒星フィルム球部の設計製作に移ることにしましょう。

2号機製作その5:恒星フィルム球の製作

今回は、これまでの投影機メカや電気系統の製作とはちょっと違うところをご紹介しましょう。プラネタリウムの本当の心臓部である、星(恒星)を映す部分の設計製作です。

ぶっちゃけた話、ここの出来が素晴らしければ、それだけでドームにきれいな星空を表現することができるのです!と言ってしまうと、「キミがこれまでレポートしてきた部分はいったい何だったのかね?」と突っ込まれそうですが・・・

投影機メカと制御システム、それに恒星投映部がひとつになってプラネタリウムなんですね。もちろんどの要素も欠かせないです。

 

さてその恒星投映部、ここをどんな風に作り込むかで星空の質が決まってしまう大事な部分です。

メジャーなやり方としては、金属の半球(台所用品のステンレスボールみたいなやつ)に、実際の星の並びに合わせてドリルで小さな穴をあける方法がありますが、これだといくつもの穴をドリルであけなくてはならないので星の数を増やすことはできないし、暗い小さい星を表現するのは非常に大変です。

ということで、今回採用したのは特殊な写真製版用の大判ネガフィルムに星のパターンを転写して、それを使おうというやり方。これは、メーカー製プラネタリウムの性能をはるかにしのぐ驚異的なプラネタリウムを個人で製作されている大平貴之さんが、学生時代に考案された方法です。

 

まずはフィルムに焼き付ける大もとの恒星パターン(原板)を作成する必要があります。

できるだけ細かく星を表現したかったので、NASAのデータセンターから膨大な恒星座標データをダウンロードして、自前のプログラムで7.5等星、26,580個の星データを抽出しました。さらにこのデータを別の自作プログラムで透明OHPシートに細かくプロットします。

上の写真はそうやってできた透明シート原板の1枚。組み合わせたときに全天をカバーするように、南北各5枚、合計10枚のフィルムで構成されるよう位置補正計算をしています。

 

これは自室のクローゼット。なんと簡易暗室にしてしまった!(笑)

使うフィルムは写真製版用の特殊なもの、それを現像する薬液も特殊なものなので、それを調べてここまで揃えるのにはかなり時間がかかりました。学生のとき少し写真現像をやっていたのと、1号機製作時の試行錯誤があったので今回はわりとスムーズに現像処理が行えましたが・・・

プロットアウトした透明シートをフィルムと重ね、コンタクトガラスを載せて密着露光、そして薬液で現像定着処理を行います。

暗闇でこの作業をフィルム10枚分、時間にして約2時間あまり続けるのは、孤独でクラーイ作業です(泣)しかも部屋から服からみんな酢酸臭くなって、家族には白い目で見られるし…哀しい作業でもあります。

 

さて、これが哀しい(笑)現像処理を終えたフィルムです。

ネガなので、透明シートの星の点の部分が透明になって、そのほかの部分は真っ黒になります。これをランプで照らしてあげればドームに星が映るというわけです。

下からランプで照らしているので、おびただしい数の星が現像されているのがわかると思います。

 

すべての製作工程を終えて完成した10枚のフィルムを、計算通りに切って張り合わせたところ。北半球部分と南半球部分の二つの恒星フィルム球ができました。

これを、前回までレポートしてきた投影機本体にマウントして中からランプで照らせば…

早く見たいですねー、わくわくしますねー。

でもその前に、光漏れ修正の地道な作業があるのでした。満天の星空とのご対面、今しばらくはガマンであります…

2号機製作その6:投影機の仕上げと投影テスト

前回レポートした恒星投影フィルム部の仕上げも完了し、いよいよ投影機本体にマウントして全体の総仕上げをする段階にきました。

2号機の具体的な設計開始から2ヶ月、平日の早朝と夜、そして休日、眠気に邪魔されたり子どもの遊び相手で時間を取られたり、炊事洗濯掃除をしたり(してるわけない:妻談)…ま、まあ、いろいろあってようやくここまできました。

 

自室にドームを設営したところ。

ドームは6畳部屋があれば設置できるのですが、なにせ作業部屋として使っているため非常にモノが多く、それらを片付けながらの作業なので意外に時間がかかります。いい機会なので、電子部品や機械部品はそれぞれ専用のパーツ収納棚を用意して整理しました。工具や測定器もちゃんと片付けて、ようやくドーム設置完了です。

それにしても、こりゃホント普通の家庭の光景じゃないな…

 

これがプラネタリウム投影機本体です。恒星フィルム球を取り付ける前に、すべてのランプの点灯制御テストをしています。

ランプは、恒星投影用が南北各1つ、青空用が東西各1つ、朝焼け用が東に1つ、夕焼け用が西に1つ、一般照明が2つあります。

 

いよいよ恒星フィルム球を投影機にマウントして、星空の投影テストです。

夕焼けを少しずつ暗くしていくと、本当に満天の星空がドームいっぱいにあらわれました!天の川もぼんやりと流れているのが表現できています。これを見た瞬間、これまでの苦労がみんな吹っ飛んだ気がしました。

そしてしばしの間、自分の作った星空の空間に酔いしれました(笑)

 

2時間後、そのまま寝ている自分に気づきました(苦笑)

でも、目が覚めてもそこには変わらず満天の星空…幸せなひとときです。

写真はフラッシュをたいているので星は全く見えませんが、本当に満天の星たちに囲まれています。早くみなさんにもこの空間を楽しんでほしいな…

 

私の個人的な趣味だけで言えば、本当は星と音楽以外は何もなくていいのですが、子どもたちに見せて話をするときにはそれだけではおもしろくないですよね。そこで、CG投映用のビデオプロジェクタが活躍します。

写真は、プロジェクタを使ってドームに木星を投映しているところ。そのほかに、月、流れ星、星雲などの投映テストを行いました。結果は上々!今後大活躍してくれることでしょう。

でも、プロジェクタは明るくて、そのまま投映したのでは星がまったく見えなくなってしまいます。実際の投映時には、プロジェクタにはかなり強いカットフィルタを装着して暗くします。ちともったいない使い方ですが、仕方ない…

 

これで投影機は完成し、ビデオプロジェクタを併用した上映機材の準備は整いました。

まだ2個のモーターをデジタル制御して自由に回転させるシステムの設計製作が残っていますが、まあ基本的な上映は可能になったわけです。

今後は、幼児、小学生などある程度年齢層を考慮した上映コンテンツのラインナップにも力を入れていきたいと思います。

2号機製作その7:操作ボックスの製作・そして完成

前回までで投影機本体の製作が完了したので、最後に操作ボックスの設計製作にとりかかりました。これがなくても一応投影はできるのですが、朝夕焼けの操作やモーターの制御が全くできないのでは最終形とはいえません。最後の力と時間、お金(?)をかけて、操作制御部を作りこみました。

 

投影機の本体下部にある、制御信号を受信するためのポートです。

投影機側がどんな制御信号を受けて動作するかは最初の設計で決めていたので、信号の送信側が完成すれば制御信号を受け取ることができるよう製作は完了しています。

 

本邦初公開!自室の電子工作エリアです。これでも、あふれる電子部品を収納棚に整理したんですが、やはり雑然としてますね~(これ以上片付かない…機械工作エリアはもっと汚いので見せられません…)ここで基板製作など一通りの電子工作ができます。

左下のオシロスコープは、知り合いの先輩から無償で(!)譲り受けたものです。旧型ということですが、波形もバッチリ見えて、すごく重宝しています。電子工作にはなくてはならないオシロスコープですが、なにせ高価で手が出なかったのです。本当に感謝感謝でございます。

 

完成した操作ボックス。手作りの基板がむき出しで、あまり見栄えは良くないのですが…。

この操作ボックスで朝夕焼け/青空のランプ操作や日周/緯度回転のスピードと回転方向の操作、軸センサーの状態監視などをすることができます。

バリバリのマイコン制御にしてパソコンとつなぎ、投影機の状態表示や操作制御をグラフィカルユーザーインターフェース上でマウスでやる!なんていうカッコイイこともできたのでしょうが、それをする時間もお金もありませんでした(泣)それをやったとしても、あんまり上映には意味がないでしょうし…制御部分は極力シンプルな設計としました。

 

はい、完成です!…と、一言では片付けられないほどの時間と労力、そしてお金を投入したプラネタリウム投影機です。工作機械や作業環境への投資もハンパじゃなかった…

「プラネタリウムを作ろう」と思い立ってから2年、その間製作をしていなかった時期もありましたが、それにしても本当に長かったです。

部屋での試写を見て、最近ようやく奥さんもご納得の様子、今では「いいのができたじゃん」と言ってくれるので、正直ホッとしました(笑)

これから、いろんな場所でお披露目できる機会をどんどん作って、たくさんの人たちに手作りプラネタリウムを楽しんでほしいなと思っています。

 

さて、これで製作記録もおしまいです。最後まで読んでくれた人、どうもありがとう!この製作を通じて、会社員で自分の領域だけの仕事をしてると気づかないことにたくさん気づかされました。実はいろんな基礎知識が不足してて、モノひとつまともに作れないと思い知ったときの情けなさといったらもう…(汗)

でも、どうにかこうにか完成までこぎつけました。まさに、継続は力なり!ですね。自分としては、今できる限りのことをつぎ込んだつもりです。あとは見る人が何を感じてくれるか…怖いけど、楽しみです。

 

それではみなさん、次回は上映会場でお会いしましょう!!

2号機製作号外:投影機改造とドームスクリーン補修

2号機が完成してから半年、いろいろな所で出張上映を行ってドームスクリーンがかなり痛んできました。ちょうど年度末のいいタイミングだったので、少しの間出張上映を休止して補修作業を行うことにしました。

投影機のほうも満足のいく動作性能が出ていない(緯度がうまく回転せず、姿勢を保持すること自体が不安定)ことが気になっていたので、こちらも思い切って大規模な改造を行うことにしました。

 

投影機構造の改良にあたっては、県内在住の機械設計エンジニアであるM氏にアドバイスをいただきました。

実機を一目見ただけで、なるべくコストをかけない方法で改造ポイントを洗い出してくれるあたり、さすが機構設計のプロです!氏からアドバイスいただいた改良ポイントは今回すべて実施しました。

 

まずはドームスクリーンの補修から。

写真は、折れてしまったフレームを修理したところです。溶接できるような環境はないので、細いすずめっき線でぐるぐる巻きにしてフレームを固定し、半田付けをしました。これでも、かなりの強度になるので実用上問題なさそうです。

この補修を数箇所、ほかにスクリーン生地とフレームが分離してしまったポイントを、裁縫でつなぐ作業を行いました。裁縫なんて、小学校の家庭科以来だ(笑)

 

今回の投影機改造用にホームセンターで買ってきた資材の一部。改造ポイントのひとつであるアクリル板の梁補強や脚部のワイヤー補強などのための部品です。

このほか、商社から軸受ユニットやモーターなどの機械部品を購入しました。

 

今回も大活躍してくれた電動工具たち。

大枚はたいてこれを買ったのは約3年前、そのときの奥さんの白い目はいまだに忘れられません(笑)今でこそ部屋で市民権を得ていますが…

普通の家庭には絶対にない得体の知れない(しかも高価な)モノですから仕方ないですよね。

でも、これがなかったら今の投影機の存在はあり得ません。本当に頼りになるやつらです。

 

アクリル板の梁補強は、こんな感じでアルミフレームを使って行いました。

アクリル板は手軽な反面、ある程度大きくなるとたわみが出るので、重要な補強です。(と偉そうに書いていますが、全部アドバイザーM氏のお言葉です…)

これは架台天板で、一番直径が大きく投影機すべての重量がかかる部材です。梁補強のほか、底板との連結サポートの数も増やして安定化を図りました。

 

同じくアルミフレーム材による梁補強です。こちらは日周モーター板で、この裏にある日周センサー板も同じように補強を行いました。

両脚部にワイヤーが張られているのも写っています。このワイヤーはターンバックルで締め付け具合を調節できるようにしました。これで、軸回転時の脚の揺れが改善できそうです。

日周軸の軸受部はこれまでのユニットをそのまま使っていますが、取付穴を少しザグって板にもっと密着固定させるというテクニックを教えてもらったので、その処理を施しています。

 

今回の改造の目玉の一つ、軸受部品の交換です。

ご覧の通り、緯度軸はシャフトが東西直結ではないため、軸回転時にねじれる感じで力がかかって軸中心がずれるのだそうです。これを吸収できる調心機能を持った玉軸受ユニットを購入し、緯度軸受部の構造を変更しました。それを教えてもらうまで、こんな部品があることすら知らなかった無知な私です(笑)

 

軸受ユニットを換装して組み上げた緯度軸駆動部です。ダブルギヤー構造は前のまま、天板と底板にアルミフレーム補強を施しています。

あと、緯度モーターを新品に交換しました。実は緯度軸回転の異常をM氏に見てもらったとき、「モーター自体がおかしな回り方をしているみたい」と言っていたのを思い出したのです。まさかとは思いましたが一応モーター単体テストをしてみたところ、なんとモーターが故障して異常回転していたのです。まさに氏の言ったとおりでした。M氏の知識と経験に基づく深い洞察力に感銘を受けながら、モーターをFAXで即日発注した私なのでした。

 

すべての改造アセンブリを終えて、ランプ全点灯と軸連続回転の試験をしているところです。(恒星球は実装していない状態です)

日周軸のシャフトは南北用をカップリング結合させていたのですが、その構造もやめて一本のシャフトで直結しました。

 

以上の構造改良の結果、投影機の揺れやがたつきがなくなり、日周・緯度の両軸も実にスムーズな回転をしてくれるようになりました。これまで動作不安定で実現できなかった南半球への移動や2軸の合成回転などができるようになったわけです。

 

最後になりましたが、多忙のところ自宅まで駆けつけてくれ、的確な改良アドバイスをくれたM氏にあらためて感謝いたします。氏のアドバイスがなければ、今回の改造は有意義なものにはならなかったでしょう。引き続き、東部方面広報部長としての活動をよろしくお願いしますね(笑)本当にありがとうございました!

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