全天映像投影機製作記録3・情報収集と基礎実験

全天映像投影システム

なかなか進まなかった投影機製作の続きです。
知識ゼロからのスタートだったので当然といえば当然ですが、ピンホールプラネタリウムとはやはり難しさが各段に違いました。

とにかく、プロジェクターから投射された映像を単純に拡大するだけでは、欲しい全周映像にならないことだけは実験でわかりました。
実験で使っていた魚眼レンズはコンバージョンレンズなので、APS-Cやフルサイズのカメラレンズと組み合わせて使うことが前提です。
ということは、プロジェクターの映像をいったんAPS-Cやフルサイズに結像させて、それをカメラレンズ+魚眼レンズで投影すれば全天投影できる?
では、プロジェクター映像を結像させるにはどうしたらいい?コンデンサーレンズが必要??

そのあたりまでなんとなくイメージできたので、何か関連情報がないかとひたすらウェブや資料を検索しました。
しかし、有益な情報はなかなか見当たらず、半ば放置状態で数か月が過ぎました。
そしてようやく出会ったのが、LSSのサイトです。

The Lhoumeau Sky-System(LSS) Open Project
http://www.lss-planetariums.info/index.php

このサイトには、カメラレンズやビデオレンズを使ってドーム全天に映像を投影できる光学系が紹介されています。とても詳しい技術情報やアイデアが公開されていて、しかもそれを誰でも使うことができます。(Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported License.)
自分が実験を繰り返してつかんだ光学系構成のイメージにも合致していたので、さっそくこの情報を活用してシステムを考えることにしました。サイトで使っているレンズは主に海外製だったので、日本国内で入手できる一般的なレンズの組み合わせで設計します。

光学系の構想図
LSSサイトの情報を参考にして着想した光学ユニットの構想図

そして、手持ちのレンズでテスト。最初は壁にぼんやりとした光の円が見えるというレベルから、調整を繰り返して徐々に大きな映像を映せるようになりました。
いろいろなメーカーや焦点距離のレンズを組み合わせ、さらにフランジバックと光路長のバランスをとり、トライ&エラーで少しずつ最適解を見つけ出すという、なんとも地味で愚直な方法です。

数か月後、やっとオリジナルの光学システム構想を固まりました。前方に投射されるプロジェクターの光を90度反射させて天井に向けるために、望遠鏡用のミラーを組み合わせて光学ユニットの仕様を決めるところまできました。

基礎実験の様子
手持ちのカメラレンズの組み合わせで投影テスト

試作ユニットベース
望遠鏡用天頂ミラーを加工して試作したユニットベース

そして最初の試作ユニットがようやく完成しました。工作精度はボロボロの手作りユニットですが、これをプロジェクターの前に置いて投射したところ、見事に全天映像になったのです!
肝になる光学ユニット部分の試作ができたことで、自作を夢見たデジタルプラネタリウム投影システムはついに実現可能になりました。

完成した試作ユニット
レンズを装着した状態の光学ユニット試作版

投影テスト
光学ユニット試作版を市販プロジェクターの前に置くと、ドーム全天投影が可能に!