プラネタリウム出張上映を行う人は、ドーム内のお客さんの安全や安心を守る責任があります。たとえ短い時間でも、閉ざされた暗い空間の中で多くの人の命を預かるわけですから、これは事業者であってもなくても、誰がどこで実施するとしても同じです。
そのため、実際のイベントではいろいろな準備や対策が必要です。私たちの取っている対策は主に下記の通りです。
エアドームの設置
不特定多数の人が行き交うような会場の場合は、エアドームや送風機の周囲に、必ずベルトパーテーションやコーンなどを設置してもらいます。外側からいたずらされないよう、上映中の外周監視をお願いすることもあります。
また、設置場所にはパンチカーペットやジョイントマットなどを敷いてもらいます。観客は靴を脱いでドームに入り、座った姿勢で観覧するため、できるだけ快適な環境を作るよう心がけています。
送風機には必ずカバーをつけています。不用意に触られて事故やケガが発生しないようにしています。
特に夏場の上映では、エアドーム内の気温も湿度も上がって不快な環境になってしまいますので、できるだけスポットクーラーを用意してもらい、エアドーム内に冷風を入れるようにしています。
エアドーム内部の対策
エアドーム内にコードをはわせるときは、必ずコードカバーをつけています。
また、入退場のときは場内照明をつけて、転倒や衝突などの事故が起きないよう配慮しています。
上映中は常に二酸化炭素濃度や温度、湿度をモニターしており、手元のコントローラで送風機の風量を調節しています。入退場時や換気時は最大風量で、上映中は風音が邪魔にならない程度に抑えて運用しています。
感染症拡大予防の対策
新型コロナやインフルエンザの感染拡大時季には、上記の環境モニタリングに併せて、観客やスタッフにマスクの着用や手指のアルコール消毒をお願いしています。
緊急時の脱出など
長期イベント等で運用を現地スタッフにお任せする場合は、必ず緊急時のエアドーム解放・脱出手順についてレクチャをしています。また、受付で明らかに不審と思われる人物を警備関係者とともにチェックするなど、防犯や安全対策のお願いをすることもあります。
より安全に運用し、安心して楽しんでもらうために
エアドームと投影システム、そして映像ソースがあれば、プラネタリウムの投影自体はすぐにできます。
でも、イベントとしてお客さんを呼んで安全に実施するためには、「ただできる」というだけではだめです。
毎回のイベント上映を通じて、より安全に楽しんでもらうためにはどんな対策が必要か、どんな機材や準備が必要か、常に情報と環境をアップデートし続けています。