ソラプロジェクターはもちろん、最近のデジタルプラネタリウム投影機は、ほぼ100%ビデオプロジェクターのお世話になっています。施設の大型システムであれモバイルの小型システムであれ、プロジェクターの知識や操作技術は、プラネタリウムに携わる人にとっては必須になりつつあります。
サラリーマン時代に初めて触れたプロジェクターは、赤色・緑色・青色の3系統のブラウン管とレンズを持つ3管CRT方式の機材でした。戦艦の主砲のような形状で、とても大きくて重たいものでしたが、それでもドームの一部に暗めの映像を投影することしかできませんでした。そのため、当時は地上風景などの投影やスライド投影の一部置き換えなど、補助的に使われることが多かったように思います。

それから30年あまり、プロジェクターは劇的な進化を遂げ、今では個人でも所有できるサイズや価格で、当時の何倍、何十倍もの性能を持つようになりました。そのおかげで、私もソラプロジェクターというデジタル投影システムを自作し運用できるようになったのです。
ところが、高度に発達したプロジェクターは中身がブラックボックス化され、自分で修理やメンテできる部分はほぼ無くなりました。メーカー修理も、基板や投影ユニットの全交換で対応されることが多くなりました。
また、設定項目も多くて複雑になり、よくわからないまま購入時の状態そのままで使うことが普通になりました。
設定にチャレンジしてみよう
しかし、プロジェクターの設定を少しチューニングしてあげると、投影画質を改善できることがあります。
設定項目を調べたり調整したりするのは面倒ですが、吊るしの状態で「あんまり画質が良くないなあ」とあきらめる前に、ぜひ設定にチャレンジしてみましょう。
ソラプロジェクター標準モデルで採用しているEPSONのEH-TW7100は、疑似4K投影や多様な入力に柔軟に対応するために多くの機能を持っていて、逆にそれらがドーム投影の画質を下げる要因になっていたりします。
私が使っている機材では、それらの不要な機能をオフにする等、こんな感じで一部を設定変更しています。
- 画質→カラーモード:ブライトシネマ
- 画質→イメージ強調→4Kエンハンスメント:オフ
- 画質→イメージ強調→イメージ強調プリセット:プリセット3または4
- 画質→明るさ切替:中
- 画質→オートアイリス:オフ
- 映像→アスペクト:ノーマル
- 拡張設定→設置モード:リアまたはリア天吊り
なお上記は、フルハイビジョン解像度で4~7mドームに全天魚眼投影する場合の私の設定です。
入力ソースや解像度、投影サイズによって設定できない場合や、設定が最適でない場合があります。ご注意ください。
もちろんこれ以外の項目でも、私の知らないチューニングポイントがたくさんあると思います。
上記を参考としていただきつつ、それぞれの投影環境に応じて適切な設定調整を試行錯誤してもらえれば、けっこう画質改善が期待できます。ぜひ挑戦してみてください。
そして改善に成功したら、そのポイントをぜひ私に教えてください(笑)
