星空案内番組を制作する難しさ

プラネタリウム配給番組のラインナップをさらに充実させていくことを現在企画中です。
その第一弾として、基本的な星空案内の番組を作り始めています。これまで配給してきたものを再構築して、春夏秋冬各15分弱の4本セットにしたいと思っています。このくらいの短さならお子さん連れでも飽きられずに見てもらえるので、イベントでちょっとだけプラネタリウム体験といった用途で重宝されそうです。
科学館などで上映されるプラネタリウム番組は概ね40分~50分あり、内容もとても充実していますが、商業施設などで実施されるイベントは客層も目的も全然違うので、同じというわけにはいきません。
TPOに合わせた内容や長さでコンテンツを用意することが必要になってきます。

ということで、ただいまナレーション脚本を書いているところですが、星空案内番組には、「月や惑星の見え方が毎日変わる」という難しさがあります。
上映番組は一度制作して動画の形になってしまうと、その内容は変更できません。
例えば満月の夜空で映像化した場合、三日月や半月の日、あるいは月が見えない日に「今夜の星空」と言って上映すると、それは嘘になってしまうわけです。
1日間のイベントの場合は当夜の星空で映像を制作すれば問題ないのですが、長期のイベントや常設で上映するとなると、ひとつの上映番組で毎日変わる星空をすべて案内するのは無理があるということです。

2025年11月6日深夜・東京の星空。満月や土星(赤いマーカー)が見えていますが、この星空はこの夜だけです。

その点、プラネタリウムソフトウェアを使ったライブ投影であれば、その日の星空をいつでもリアルタイムに再現することができます。
ただ、そのスタイルで投影や解説ができる専門スタッフがいない場合は、どうしても出来合いの上映番組が必要です。どちらのスタイルをとっても一長一短、難しい問題があります。

今回制作する星空案内番組4本セットは、月や惑星を描画しない星空で作る予定です。ナレーションも、月や惑星には触れないようにします。「月や惑星は毎日見え方が変わります」ということを前提として使ってもらうことが前提となります。
もちろん、ご希望の場所(経度・緯度)で眺めた星空になるよう、顧客毎にカスタマイズ設定可能です。

移動プラネタリウムを初めて間もない事業者のかたや、そこまでガチな上映を目的としないイベント上映などで手軽に活用いただける基本&王道のプラネタリウム番組にしたいと思います。
完成したらあらためてお知らせしますので、どうぞご期待ください。

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