
これ、なんの写真かわかるでしょうか。
ソラドームの開発用生地サンプルです。2m四方の大判で数パターンあり、投影比較実験などに使っています。
ソラドームは2019年のリリース以降、これまでに各サイズ合わせて20式ほどを製作してきました。
しかし、これだけ製作してきていても、なお毎回難しいのがスクリーン生地の品質管理です。
ベース生地を指定色に染色したり防炎剤を塗布したりする工程で、どうしてもロット毎に微妙な色の違いが発生しまうのです。
いわゆる「白って実は200色もあるんやで」です(笑)
厳密には白ではなくライトグレーですが。
みなさんご存じの通り、特に白系色は、微妙な色味の違いがかなり目につきます。反射率も変わるので、投影された映像の見え方も大きく変わります。同じ型番、同じ製法なのに、別ロットの生地を組み合わせると、スクリーン全体の色の均一性を担保できなくなります。2024年にはそれが原因でスクリーン生地をすべて張り替えるといった手直し事案も発生しました。
昨年末、ソラドーム製作工場や生地卸業者、生地メーカーの担当が集まる機会を設けました。
そこであらためて、今後のソラドーム製造に対する品質管理について協議したのですが、その中で、現行色の再現性を維持していくのが難しいという話が出ました。現行色は初期試作で投影実験を繰り返して決定したものですが、どうやらこれが、ちょうど調色が難しい微妙な色味だったというわけです。
そこで次ロットからは、調色管理がより行いやすい新しい色の生地でソラドームを作っていくことになりました。
下の写真が比較検討用サンプル生地です。

写真で見ると現行色(右側の縦長生地)と新色(左上の横長生地)はけっこう違って見えますが、実際には差異は微妙です。写真がかなり暗く映っている印象です。
ということで、新しいソラドームの内部スクリーン面はこれまでよりやや白味が強くて明るい生地となります。
その結果反射率も若干上がり、映像がより明るく鮮やかに投影されるようになります。
反面、黒も若干浮く感じとなり、コントラスト比は旧来のスクリーンより少しだけ落ちる印象です。
まあ、運用中のドーム内はプロジェクター投射光などもあって真っ暗ではなく、実際の観覧でその影響に気付くことはないと思いますが…
とにかく、スクリーン色の均一性を担保できるということ、そして、映像がより明るく鮮やかになるということで、より品質を向上できると思います。
新しいスクリーン生地をまとった新しいソラドーム、次ロットから製作開始です。
どうぞご期待ください!