2か月以上かけて取り組んできたプラネタリウム上映番組がほぼ完成し、先日京都で関係者内覧が実施されました。
(残念ながら私は夏風邪をこじらせてしまい、参加することができませんでした…)
これからスタッフやスピンサークレジットの追加を経て、秋の公開に向けて完成・納品となります。
この番組は、国立民族学博物館特別展「舟と人類ーアジア・オセアニアの海の暮らし」のエアドームプラネタリウムで上映される予定です。

これは、動画編集ソフト上で見た最終版のタイムラインです。DaVinci Resolveという編集ソフトを使っています。
動画制作をしている人であればおなじみの作業画面ですね。ここに映像や音声のクリップを切り貼りして、シーンの切り替えやサウンドトラックのタイミング、ボリュームなどを調整していきます。
実は今回の番組は、いつも作っているプラネタリウム番組とはちょっとテイストが違うものでした。
人類学研究の学術的な知見に基づいた物語で、ハワイからタヒチへの古代カヌー航海を疑似体験できる内容となっています。企画・脚本・監修は、その道の第一人者の研究者が務めています。
ということで、映像表現も普段とはちょっと違うものが多く求められました。
中でも一番たいへんだったのは、ドームにパノラマ投影される海上の景色です。波がさざめき、夕陽に輝く海の全天周動画を何パターンも生成して、できるだけ海上をリアルに投影できるようにしました。
また、創生神話の朗読(天の声)とともに地球が夜明けを迎えるシーンや、頭上を海鳥が飛びかうシーンなど、実現方法に頭を悩ませた部分も多くありました。各シーンを作るのにいろいろな素材やソフトを使い、いろいろな合成手法を試し、ほぼ狙い通りの映像にすることができたと思います。最終的に、BGMや効果音、そしてナレーション音声(AI合成)と合わせて、15分ほどの番組として完成させることができました。

今回の制作を通じて、また映像編集のおもしろさというか、深さを感じることができました。編集ソフト習熟のために普段からいろんな映像クリップを試作しているのですが、その経験も役に立ちました。まあ、私の制作スキルなんて、ほんとにまだまだ稚拙なレベルでしかないのですが、動画編集はハマる人はとことんハマるし、細かい作りにこだわっていきますよね。たいへんだけど、本当に楽しいクリエイティブだなって思います。
今回の番組制作の企画が始まったのは4月、内容がほぼ固まったのが5月でした。企画開始から4か月以上を費やしました。ここまで長い期間をかけてじっくり作った番組も初めてでした。
この動画編集熱が冷めないうちに、次の企画、次の内容でまた上映番組を作る機会をぜひ作りたいと思っています。