Nightshade活用ノウハウ:大規模な投影スクリプトを作る

プラネタリウムソフトウェアNightshadeについて、どんなソフトなのか?から、インストールや設定方法、スクリプトの記述方法などを紹介してきました。かなり古いソフトウェアですが、現在のPCでもちゃんと動きますし、フリーですので、ぜひ実際に触れてみてもらえればと思います。

ただ、実際のプラネタリウム投影では、Nightshadeを手動で操作しながら解説するのはかなり難しいです。画面下の小さなアイコンをクリックしたり、キーボードショートカットを覚えて暗闇の中で操作するのは至難の業だといえるでしょう。
私もそうですが、ほとんどの場合は、事前に作成したスクリプトを使うことになります。スクリプトはコマンドとパラメータのセットを記述してテキストファイルとして作成するのですが、これがうまく活用できるようになると、自分の解説タイミングでシーンを進めていくスタイルでも、全自動で映像と音声が流れていくスタイルでも、自由に上映番組を作ることができます。

最新事例の一つを紹介します。これは、アイヌの星座や民話を紹介する上映スクリプトの冒頭部分の一部です。
北海道で開催される関連イベントの上映用に受託制作したものです。

テキストエディタで開いたスクリプトファイルの一部

このスクリプトは全部で830行ほどあります。当地の夕焼けの情景投影から始まり、地元小学校のみなさんが録音したナレーション音源に同期して当夜や太古の星空案内が進みます。途中でライブ解説も入るので、その部分は自動進行ではなくキュー待ちのスタイルになるよう書かれています。

星座絵や地上風景などの画像やナレーションやBGMの音声データはあらかじめ用意しておく必要がありますが、投影位置やタイミング、音声はスクリプトで時系列に記述して制御することができます。上映時間が長くなればその分スクリプトの量も多くなりますが、C/C++やJavaScriptなどのプログラミング言語に比べれば習得ははるかに簡単です。

最初は小さなスクリプトでいろいろな制御方法を覚えて自分なりの記述ノウハウ、演出ノウハウを蓄積しながら、ぜひイベント上映で使える大規模な番組スクリプトの制作にチャレンジしてほしいと思います。

上映冒頭の夕焼けのシーン。地上風景は、実際に360度カメラで撮影した写真を加工して作ります。
オリジナル制作したアイヌ星座絵を投影。表示位置や回転角度、サイズを細かく指定できます。
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