2020年11月某日、某家電量販店に、一人のおっさんの姿があった。
彼はもう1時間近くそこにいて何かを考え込んでいる。目の前には、最新のMacBookAirが展示してある。
AppleM1チップを搭載した大人気モデルで、とにかく手に入らない品薄な状況だ。そんな中、その店には奇跡的に在庫があった。それをすぐ持ち帰りできることはすでに確認済みだった。
腕組みをして考え込んだり、天井を見つめてみたり、マシンを少しいじってみたり、さっきからずっとそれを繰り返している。
どうやらこの男、購入を迷っているようである。
彼がためらうのも無理はないだろう。
なにせこの男、少し前まではWindowsノートPCの購入を検討していたのだから。
8年ほど使ってきたPCに故障や不具合が目立ってきて、いよいよ買い替えを決意したのだった。
しかし、買い替え候補のPCを調べているうちに、彼は出会ってしまったのである。
所有欲を刺激するクールなデザインと質感、スペースグレイという魅力的なカラー、そして「爆速」と評されるM1チップの性能、ちょうどこの時に重なった発売。
彼は、そのマシンにすっかり魅了されてしまっていた。
Windowsでしか動かないアプリはどうするのか?
いや、メインマシンのWindowsデスクトップがあるじゃないか
出張の時とか困るんじゃないのか?
何とかなるんじゃないか(適当)
そんなに予算ないんじゃないのか?
何とかなるんじゃないか(暴挙)
本当にそれで大丈夫なのか?それが今ホントに必要なものか?
たまたま入った店に在庫があったなんて、これはもう、買え!ってことじゃないのか?
そんな堂々巡りの問答をひたすら頭の中で繰り広げること1時間以上、ついにその男は、店員に購入の決意を告げた。
顔面は上気し、うっすらニヤついているようにも見えた。
震える手で大枚を支払い、美しいパッケージを大事そうに抱え、そのおっさんは帰途についた。
20年以上ぶりのMac
これは全て実話であり、「おっさん」は実在の人物です(笑)
新入社員の時、先輩が職場で使っているのを見たのが、最初のMacとの出会いでした。MS-DOSの黒い画面やコマンドプロンプトしか知らなかった当時の私にとっては、本当に衝撃のマシン、衝撃のGUIでした。
ほどなく同僚もMacを購入。私も欲しくなり、思いきってColorClassic2を購入しました。その後LC630に買い替え、ゲームや、当時流行り出したネットサーフィンなどで何年間か使っていました。
ただ、当時のMacはとにかく不安定で、爆弾アイコンが出てフリーズなんてことがしょっちゅうでした。そんなこともあって、いつしかWindowsマシンをメインで使うようになり、それから現在までMacを触ることはありませんでした。(譲り受けたスケルトン筐体のiMacが家にあったりしたけど、ほぼ使わず)
今回はその時以来、20年以上ぶりのMac購入です。
最新 Apple MacBook Air Apple M1 Chip (13インチPro, 8GB RAM, 256GB SSD) – スペースグレイ
久しぶりに触るMacは、なんだかすごくいい。
起動音を聞いた時は、ちょっと感慨深いものがありました。
まずは、その外観。
シンプルなデザインが好きで、「引き算の美学」といったフレーズにめっぽう弱い私。
とにかくシンプル。それでいて、非常によくデザインされている。これまでに使ったどんなノートPCよりも素晴らしい質感で、ずっと見ていたい、触っていたい、使っていたいと思わせてくれます。
キーボードのタッチもすごくいいし、キーのレイアウトデザインもいい。バックライトもきれい。
Windowsモバイルノートのキーボードって右側のキーの幅が狭いものが多いのですが、それがデザイン的に嫌いなので、そういうアンバランスさが無いのがすごく嬉しいです。(「1」キーだけ幅広なのがちょっと気になるけど)
そして最新のmacOS。画面もフォントも綺麗で、PC作業が楽しくなる。昔のMacとはまさに隔世の感があります。
クリエイターとか、おしゃれで感度の高い人たちが、こぞってMacを使っている理由がわかる気がする。
クリエイティブな仕事ができる気にさせてくれる何かが、Macにはある。
これなら、おっさんだってカフェでドヤ顔で使いたくなるもん。
決して安い買い物ではなかったけど(MacBookとしては安いらしいけど)、そして当初考えていたWindowsノートPCの買い替えではなくなってしまったけど、本当に満足な買い物ができました。
こうやってブログを書いたり、プログラミングをしたり、DaVinciResolveで動画編集をしたり。
GarageBandとか、今まで知らなかった面白いアプリをいじってみたり。
そして、Windows10を動かすようなテクニカルなチャレンジもやってみたり。
ほんと、楽しみが尽きません。
これからおっさんの相棒としてどんどん活躍してくれるのが楽しみです。