プラネタリウム出張上映のイベントでは、当然エアドームが設置されます。
(ドームを使わず天井に直接投影する場合もありますが)
あとは、受付用の机や椅子を置き、ドーム周囲をベルトパーテーションやカラーコーンで囲んで保護する。
会場のデザインは、だいたいこんなところです。展示パネルを何枚か並べたり、七夕なら笹を飾ったりしたこともありますが、この事業を始めて20年間、特になんの工夫もなく、あたりまえのようにそうやって設置運営してきました。
でも、なんかこれだけでは味気ないし、もったいない。
何もなかった場所に突然あらわれるエアドーム。これだけでもなかなかのインパクトはあるのですが、このイベント会場を、さらにはイベント体験そのものを、もっとデザインできないだろうか。
もちろん短期のイベントでそんなに大規模な空間装飾はできません。設置や撤収時間が限られている場合も多い。
それでも、なにか、もうちょっとみなさんの記憶に残るような演出ができないか。
そんなことをいま考えています。
プラネタリウム出張上映がお届けするのは、ドームに入って視界いっぱいに広がる満天の星を体験するという、非日常の空間と時間です。それは、整理券(チケット)を手にした時から始まり、ドームに入ってワクワクしながら始まりを待ち、全天映像と音楽が織りなすとっておきのひとときを過ごし、体験できた満足感と終わってしまった少しの寂しさを胸にドームを出る、というストーリーです。
コンサートやライブ、某夢の国のアトラクションなどとよく似た体験ストーリーで、そういう場所でもそれをセンス良く演出しています。移動プラネタリウムもそんな演出のノウハウを取り入れることができたら、もっと魅力的なものになるような気がするのです。
私は飛行機が好きで、その機体はもちろん、運航オペレーションや、フライトを思い出深いものにするさまざまな演出にあこがれを感じます。あんな風にオペレーション出来たらかっこいいなって思います。
来場したみなさんに、この小さな旅、小さな星空フライトをより楽しんでもらえるにはどうしたらいいか。どんなふうにイベントを、この体験ストーリーをデザインするか、試行錯誤は続きます。