ソラプロジェクターの光学ユニットは、いくつかのデジタルカメラ用レンズを使用して製作しています。
この部分の設計がシステムの肝であり、この部分の開発がうまくいったことでシステムが製作できるようになったのは、以前の記事でもお話しました。
ところでこのレンズたち、実は一昔前のマウント規格のものを、今もあえて使っています。
ちょっと技術的な話になりますが、最新のミラーレスカメラ用レンズはフランジバックがとても短いため、天頂ミラーを経由した長い光路を確保できないのです。なので、この形態のシステムを作るなら、一世代前のフランジバックの長いレンズを使う必要があります。
しかし、時代はミラーレスカメラ全盛。一世代前のレンズは次第に生産量も流通量が減っています。いつディスコンになるかもわからない状況です。ということで、今後は使用済みレンズ、いわゆる中古レンズも使っていくことを考えなければいけません。
そこで、そういったレンズも積極的に活用していくため、昨年、古物商免許を取得しました。
光学的な機能や性能に何ら問題のない、ただ世代が変わった、新商品群に変わったという理由で使われなくなったレンズたち。そのままではゴミとして廃棄されるだけとなったレンズを、これまでの「空を撮る」役割ではなく「空を映す」という役割を与えてリユースし、ソラプロジェクターとして再び活用する。
それは、SDG’sでいう「12 使う責任、作る責任」という課題への取り組みにもつながるものです。
プラネタリウムの満天の星を投影することが多い投影システムだし、自然環境のことを考えた、あるいは持続可能な社会や未来のことを考えた取り組みを考えるのも悪くないかなと。とても小さなことですけどね。
このシステムを導入されるかた、使われるかたにも、ぜひこの取り組みを知っていただければなと思います。
いまはチルトフリーのプロジェクターもけっこうあるので、プロジェクター自体を上に向けて、天頂ミラーを使わず全長を短く抑えたユニットを合わせることも可能になりました。いずれはそれ用に最新のレンズを組み合わせた光学ユニットを製作することになるでしょう。だけど、製作が可能な限り、この「作る責任をちょっとだけ考えた」光学ユニットも、しっかりお届けできればと思っています。
SDG’s関連で最後にひとつ。
ウィルシステムデザインでは、こんな上映番組も企画制作しています。これは、2022年に某損保会社主催の環境イベントでドーム上映されたものです。いまも配給可能ですので、上映されたいかたはぜひお問い合わせください!