エアドームの定員

「4mタイプには最大20名、7mタイプなら最大50名を収容できます」

ソラドームの紹介ページでは、こんな感じで各サイズのドーム最大定員を紹介しています。
イベントでは動員数が成果の一つの目安となるので、定員に対してどのくらいのお客さんがきれくれたのかは気になるところです。当然、連日毎回満員御礼となれば主催者もエージェントも喜んでくれますし、こちらもうれしくなります。

しかし、このコロナ禍ではなかなかそうはいきません。イベント自体が延期・中止になることも多いし、実施するとしても定員を半分にしたりして感染拡大予防対策を徹底する必要があります。

そんな状況下で、気づいたことがあります。
いや、気づいていたことを再確認した、というべきか。


それは、これまで、
動員数が多い=良い
と信じて疑わなかったことが、実はそうじゃないんじゃないか?
ということです。

実際に定員いっぱいのエアドーム内はかなりの過密状態になります。常に外気を入れて換気していても、暑さや息苦しさを感じたりします。
狭くて暗い場所に人がいっぱい、しかも空気が悪い。その中であまり身動きもできず静かにしている必要がある。
これではお客さんの満足度も上がるはずもなく、途中で出ていくかたもいました。
たくさんの客を効率よくさばける催し=良い催し
という(自分も含めた)主催者側の思惑と、現実に見ている景色にギャップを感じていたのも事実です。

最近の上映では、入場定員は従来の半数。ドーム内はかなり余裕があり、お客さんは思い思いの姿勢で本当にリラックスして星空をゆっくり楽しんでいるのがわかります。こちらも、とてもゆったり応対できるようになりましたし、途中で退席するかたも減りました。たしかにイベントの総動員数は減ったけど、顧客満足度は上がっているように見えるのです。

さて、これはどちらの運用が正解なのか?

これは千葉県の某夢の国のお話。
コロナ禍で来場人数が激減して、さらに感染防止対策で入場者数の制限をかけたりしているのに、一人あたりのパーク内での消費金額は上がり、顧客満足度も上がっているのが実感できた、という記事を見ました。アトラクションも、飲食も、買い物も、ゆっくりできるようになったことで、来場者はより高い満足感を得られるようになったというのです。

「短くていいから、どんどんお客さん入れて、どんどん回して、無駄なく効率的に動員数増やしましょう」
少なくとも自分がやる上映では、こういうのはもういいかなと。
もちろん、顧客満足度の向上にはこちらの努力(コンテンツの質や演出)が大事だけど、それをゆっくり楽しんでもらえる環境を顧客目線で準備することも必要じゃないかなと。
アフターコロナを見据えて、今はそんなことを考えています。

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