ソラドームの排気口配置検討

エアドームは、送風機(工場扇)を送風チューブにつないで常時外気を中に取り入れます。
その空気圧で膨らませるわけですが、空気は入れっぱなしではなく、ドームの形状を維持できるバランスで排気します。

その排気口の大きさや配置、構造は各製品でさまざま。これまでいろいろなエアドームを使ってきた経験もふまえて、ソラドームの排気口もずいぶん検討を重ねました。最初のロットでは、出入口の対面に左右30度で振り分けた形で2か所に設置してあります。

2020年、新型コロナウィルス感染症が拡大して、エアドームを使うイベントはほぼすべて延期や中止となりました。
当然、ソラドームの導入やレンタル商談も厳しい状況に。
狭い空間に不特定多数のお客さんが「密」の状態で長時間滞在する。そんなエアドームは、もっとも感染リスクの高い危険な設備のひとつです。リリース直後ということでタイミングは最悪でしたが、抗うことはできません。

そんな中、ソラドームの排気効率は実際どうなのか?どのくらいで内部は換気できるのか?を実際に確認することができました。実はそういう検証の機会は今まで無かったので、感染拡大防止に対する改善ポイント抽出のためにもぜひやりたかったことでした。
企画してくれたのは、ソラドームのファーストユーザーである一般社団法人 星つむぎの村。大きな体育館を借り、必要最低限の人数で検証を実施しました。

検証の方法と結果

検証は、イベントで使われるスモークマシンを使ってエアドーム内をスモークで満たし、送風を開始してからスモークが晴れるまでのだいたいの時間を計測するという方法で行いました。(目視&ビデオ撮影)
各サイズのドームで同じ送風量でテストを繰り返して平均してみたところ、こんな感じの計測結果となりました。
思っていたよりも換気には時間がかかっていたんだな、というのが正直な感想です。
ある程度風量や風速に余裕のある送風機を使い、換気時にはフルパワーで運用するのがいいことがわかりました。あと、二酸化炭素濃度を常時モニターして換気するという運用も考える必要があると感じました。

計測結果グラフ

そして排気口の配置変更

そして今回、目視&ビデオ撮影映像の確認で初めてわかったことが二つ。
スモークは送風されてきた外気に押されて送風口の対面付近で滞留・対流し、なかなか排気されない
排気されたスモークがすぐ送風機に取り込まれて内部に再度送り込まれている


これをふまえて検討し、出入口に正対して左右に配置していた排気口を少しずらして、送風口に正対させることにしました。
これで排気効率が上がることが期待できるし、場所をずらしたことで送風口(送風機)と排気口との外周距離が広がり、排気の再流入が軽減されることも期待できます。

排気口の位置変更検討図
排気口の位置変更検討図



あと、ドーム内の排気口にサーキュレーターを(排気口に向けて)設置し、滞留した空気を強制排気するというのも有効な方法だとわかりました。
改良版のソラドーム試作機が完成したら、これらの対策の効果がどのくらいあったのかを再検証しようと思っています。


今回の検証は、方法や計測精度などの課題はありましたが、とても貴重で有意義な機会となりました。
特に、排気したスモークがすぐドーム内に入ってくる様を見たときには驚きました。
やっぱり自分の眼で確かめることは本当に大切だなと実感しました。

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