エアドームは不思議な音響空間

エアドームを使った全天上映は、視界いっぱいの映像に包まれる特殊な没入感を得ることができます。
それと同時に、音響的にもちょっと不思議な体験をすることができます。

音響の専門的な知識がないのでちゃんと説明できないのですが、ドーム内では音が複雑に反響して、ときに意外な方向から聞こえてきたりします。スピーカーをうまく上に向けてあげると、まるで天から声や音楽が聞こえてくるような雰囲気を作ることもできます。エアドームの中で手をたたいたり声を出したりしたことのある人は、その不思議な残響を聞いたことがあるかもしれません。
また、ドームの外の小さな音が内部で増幅されて大きく聞こえることもあります。なので関係者には、
「ドームの周りで愚痴や悪口をしゃべってると、中でクリアに聞こえちゃうのでご注意を(笑)」
なんてことをお伝えしたりしています。

バーチャル打ち上げ花火の全天投影。音像定位も天頂の花火の位置に合わせられれば、より臨場感が増すかもしれません。


この性質は、エアドームの直径や素材生地の種類、気温や湿度、さらに、中にいるお客さんの数や服装などでもけっこう変わります。
音楽ホールでも、無観客と満席の観客、あるいは観客の服装の生地の厚さとかで残響特性が変わるのはよく知られた話ですね。

そんな不思議なエアドームの音響特性を生かして、おもしろい音体験ができる場を作れないか?
そんな実験も始まっています。

  • ドームの中心に無指向性のスピーカーを置いたらどうなるのか?
  • ドームの外周にスピーカーを置いたらどうなるのか?
  • ドームの床下にスピーカーを置いたらどうなるのか?

などなど、個人的にも興味はつきません。
流す音も、BGMなどの音楽だけではなく、自然の音や環境音、人の声など、映像とのマッチングで、よりその場にいるような感覚を増長するとか、映像無しで(あるいはアンビエント映像で)、音だけの世界観を作るようなアート寄りの空間演出とか、いろいろなアイデアが出てきそうです。

プラネタリウムや全天映像の上映だけではなく、「音」を中心とした空間作り。
みなさんの持っているアイデアもぜひ聞かせてください。実験用にエアドームが欲しいというかたも、ぜひご相談を!
エアドームを使って、もっともっとおもしろいことができればいいなと思っています。

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