はじめての上映

2003年のある夜、自宅の電話が鳴りました。

「保育園の夏祭りでプラネタリウム上映会できませんか?」

当時、自作したプラネタリウム投影機を活用する方法や機会を探るため、そして独立起業の可能性を探るため、私は地元商工会議所主催の創業塾に参加していました。
電話の相手は、そこで知りあったかた。
聞けば、その保育園の保護者会の役員をされているということでした。

はじめての上映。
当たり前だけど、なんの経験もノウハウもない状態。
作りたての試作1号機と傘ドーム、そして、何があってもいいように、大量の工具や修理部品を持ち込みました。
窓をすべて遮光シートでふさいだ真夏の保育室は、まるで蒸し風呂のような暑さ。
そこに傘ドームを吊り下げ、みんなで寝転がって上映を見てもらいました。

とにかく初めての投影で何を話していいかもわからず、汗だくでしどろもどろな私。

でも、子どもたちには大ウケ。
部屋が暗くなってドームスクリーンに星が映りだすと、大喜びで口々に叫びました。

きれい! これ、ゆき? 雪を映してるの?

え・・・

このあと、投影像が「星」と認識されなかった哀れな試作1号機は即時解体・破棄という運命に。
しかし、その屍を乗り越えて!みんなが驚く満天の星を投影できる2号機の誕生となったのです。

あのときのキミたちの「ゆき?」がなかったら、きっと2号機はできていなかっただろうし、その後の出張上映もなかっただろうな。

ということで、これが今でも思い出深いはじめての上映、そして、こどもたちからの最初の一言なのです。

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