Unsung Hero

アンサング・ヒーロー
「隠れた無名のヒーロー、縁の下の力持ち」
訳せばそんな感じになるでしょうか。

プラネタリウム上映などの大規模なイベントで、お客さんの衆目を集め、拍手やお礼をいただくのは、もちろん投影解説や講演をする人、司会者などです。
でも、そのイベントを成立させている影の立役者が実は別にいます。
彼らこそが、本当の意味での主役ではないかと思っています。

それは、機材の運送や搬入出、会場の設営撤去を行う業者のみなさんです。そのプロの仕事ぶりはすばらしいものがあります。そんな彼らのことを、私は「Unsung Hero」と勝手に命名しています。

そのヒーローは時間になるとトラックなどで登場して、手際よく搬入路の養生を済ませて機材を搬入します。そして、長年積み上げてきたノウハウや技術であっという間にトラスを立ち上げ展示を完成させます。会場の設営や電気照明工事が終わると、爽やかな挨拶とともに現場を後にします。

イベントの開催中、彼らの姿は会場にはありません。お客さんは決して彼らの存在や仕事を知ることはないし、彼らにスポットライトが当たることもありません。

そしてイベントが終わり、安堵と少しの寂しさが入り混じった空気の中、彼らは再び現れます。そして同じように手際よく搬入と逆のシーケンスであっという間に会場を元の姿に戻し、爽やかな挨拶とともに現場を去っていくのです。

かっこいい。実にかっこいい。

私は、昔から「アオレンジャー」に憧れるようなこどもでした。
いつも一番で熱くて自己顕示欲いっぱいの(笑)アカレンジャーより、一歩引いている、ちょっと冷静で知的な感じの2番目が、1番目を支えるようなニヒルな2番目の存在が好きだったのです。今でもそれは変わりません。

どんなイベントもそうだと思いますが、観客の前に立つ人だけでは成り立ちません。影のヒーローたちの仕事があってこそです。
それを常に意識すること、それに感謝して謙虚に自分の仕事をすること。
とても大切なことだと思っています。

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
目次