4K解像度でリアルな星空投影を

今夏のイベント出張上映では、初めて4K解像度での星空投影にチャレンジしました。

正確には、3840×2160ピクセルという4Kサイズの内接円(直径2160ピクセル)が投影範囲です。
それでも、これまでのフルハイビジョンサイズ(直径1080ピクセル)に比べると2倍の解像度。ひとつの星を表すピクセル面積が1/4になり、より高精細でリアルな星空の表現が可能になります。

しかしこの4K投影はこれまで実現できませんでした。
それは、対応する機材が揃っていなかったから。
今年、4Kプロジェクターと高性能魚眼レンズを使って自分用の投影システムを作れたこと、そして新しく投影用PCを導入できたこと、この二つが揃ってようやく実現したというわけです。

4K対応のプロジェクターと高性能魚眼レンズを使って製作したソラプロジェクター
12世代Core i3を搭載したNUCをライブ投影用PCとして新たに導入

PCの導入は当初考えていませんでした。
しかし、7月のイベントでMacBookAir+Parallelsが挙動不審になり、念のため持ち込んでいたバックアップ用の古いWindowsPCでなんとか投影をこなす羽目になったことを受けて、急遽専用PCの購入を決めました。
この想定外の出費は正直かなり痛手でしたが、現場で、しかも本番直前に突然機材が使えない状態になるのは本当に冷や汗ものですから、それを回避するためには仕方ありません。

新調したPCは、4K解像度で出力できるHDMIを2つ持っています。これを上記のプロジェクターとモニターにつなげて、図らずも4K投影が可能になったという次第です。

4K解像度での投影の実際

実際に投影してみると、やはり星を描画するピクセル面積が小さくなったことで、星像が小さくなりました。解像度が粗いと星像は大きくなり、収差やピントずれも大きくなって、派手だけど嘘っぽい星空になります。解像度があがったことで、派手な明るさはないけど、より実際の星空に近い投影ができるようになりました。
等級差など、プラネタリウムソフトウェア(Nightshade)のパラメータをチューニングして実際にドーム投影した様子が下の写真です。
スマホで簡易撮影したので暗い星は映っていませんが、微光星もよく再現できていて、より「リアルな満天の星」に近づいたのではないかと思います。

大型のプラネタリウム施設、最新鋭の機材設備では、いまや4Kや8Kはあたりまえという時代になっていますが、エアドームの小さなプラネタリウムではまだまだ普及しているとは言い難い状況です。
今後ウィルシステムデザインのプラネタリウムライブ投影解説では、この新しい投影システムやPCを使って4K解像度のきれいな星空をお届けしていきます。

4K解像度でドーム投影された夏の星たちと天の川
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