みなさんもう全員ご存じ？の全天映像投影システム「ソラプロジェクター」
その光学レンズユニットは3個のカメラレンズで構成されていますが、それを別レンズ2個構成に変更したモデルを現在検証中です。
もちろん現行の標準モデルで普通にドーム全天投影できますが、ドームの端（水平線近く）は映像が流れてピントがずれてしまい、投影品質が悪いという課題があります。そこで、集光レンズを大口径のものに変え、さらに投影レンズとして採用してきたパンケーキレンズを廃止。投影＋魚眼レンズも高性能タイプに変更して、改良型として試用・評価してきました。結果、現行モデルも改良モデルも一長一短あって仕様統一できないので、それならいっそのこと両方とも使ってしまえ！となった次第です。
（標準モデル）ソラプロジェクターのレンズ構成
- 集光レンズ：50mmF1.4（35mmフルサイズ）
- 投影レンズ：24mmF2.8（APS-Cサイズ）
- 魚眼レンズ：円周魚眼コンバージョン
（改良モデル）ソラプロジェクターPROのレンズ構成
- 集光レンズ：50mmF1.2（35mmフルサイズ）
- 魚眼投影レンズ：8-15mmF4.0（35mmフルサイズ）
改良モデルの良い点
- ドームの隅々までピントの合った等距離射影の映像を投影可能
- 収差や歪みが抑えられた円形のピクセル像を投影可能（星像がきれい）
- レンズを変えることなくドーム投影（全周魚眼）から天井投影（対角魚眼）まで対応可能
- レンズの高さが低くなってユニットがコンパクトになる
改良モデルの残念な点
- 製作費用がけっこう上がる（中古レンズを使ってもかなり高価です）
- 映像が若干暗くなる
明るさを示すF値で、1.4×2.8だったものが1.2×4.0になります。もちろん単純な掛け算では計算できませんが、少し暗くなるので、大型ドームでの投影やイベント系の投影には不向きかもしれません。
これまで製作提供してきたドーム投影タイプのソラプロジェクターはすべて標準モデルですし、今後も基本的には標準モデルを継続していきます。ただ、ドーム端までピントの合った正確な等角射影が必要な用途（学術研究、教育関係とか）の場合は、PROモデルも提案していければと思っています。
さらに今後は、PROモデルで大型ドームや高い天井に4K投影できるよう、高輝度プロジェクターの選定・試写も進めていきます。相性の良い新プロジェクターが見つかったら、さらなる上級モデル「ソラプロジェクターMAX」が作れるかもしれません。
（まるでどこかの〇acBookや〇Padみたいなラインナップになってしまう…）
ソラプロジェクターは安定的に量産できるメーカー製品ではなく、私個人がひとりで手作業で製作しているシステムです。もともと自分の出張上映用に作ったものですので、さまざまな内的外的要因によって、受託製作の可否や費用、納期は常に流動的です。
なかなかご希望通りに提供することができませんが、試作1号機の完成から8年以上、もう40式近くも製作してきました。これからも少しずつ進化を続けていくソラプロジェクターの今後に、どうぞご期待ください！
