機材の収納をデザインする

約1年間の構想、そして約3か月の設計製作期間を経てようやく完成した新型ソラプロジェクター。
投影ソースとなるPC機材も刷新し、操作コンソールも整備し、移動プラネタリウム機材のリニューアルは完了しました。すでに、いつでも稼働できる状態になっています。

ところでこの投影システム、光学レンズユニットが長くて、レンズがかなり上に突き出る外観になりました。
また、プロジェクター外寸に合わせた筐体フレームにしたため、「薄い高層ビル」みたいな形状になりました。そのため、脚部を装着することで安定して自立するようにしてあります。

ここで問題になってくるのが収納。この状態のまま持ち運ぶためには、かなり大きなケースを用意する必要があります。移動プラネタリウムの機材は、フットワーク軽く、しかも安全に運搬できる必要があります。
そこで、光学レンズユニットと脚部フレーム枠は簡単に外せるように、脚部は本体フレーム枠内に組み込めるようにして、なるべくコンパクトになるよう筐体を設計しました。

木箱を作る

光学レンズユニットの方は、外したままの状態で持ち運ぶのは不安なので、これを収納する木箱を作りました。

5.5mm厚のシナ合板を切り出して貼り合わせただけの簡単なものですが、これで光学レンズユニットを安全に持ち運ぶことができます。カンナやヤスリをかけまくって形状を整え、ニス塗りと表面研磨を2度繰り返してツルツルスベスベの手触りに仕上げるという、まったく意味のない(笑)手間ひまをかけて完成させました。

アルミトランクケースを買う

全体を収納するアルミトランクケースはオーダーメードを検討していましたが、奇跡的にジャストサイズの既製品を見つけることができました。脚部を組み込んだ本体と、上記の光学レンズユニット収納木箱を収めてみると、このケースはソラプロジェクターのために作られたんじゃないか?と思うくらい、ピッタリと収まりました。

機材と、その収納へのこだわり

これで無事に新型ソラプロジェクターの収納運搬が可能となりました。コンソールや音響機材の収納ケースと見た目も揃い、なかなか統一感のある荷姿になりました。

収納はプラネタリウム上映自体には関係がなく、お客さんの目に留まるものでもありません。
でも、見た目に統一感がある荷姿は、機材がきれいに丁寧に整備・管理されている印象を受けますし、現場での自身のモチベーションアップにもなります。ロゴをつけているのも、ブランディング的に良いのでは?と思っています。(まあ荷姿を見ている人は少ないと思いますが…)
個人的には、機材の運搬や設置撤収もイベントパフォーマンスの一部だと思っているし、機材も収納もある程度「見せるもの」という認識があるので、無駄なくシステマティックにデザインされた機材やその収納、設置撤収作業の動きなどにも、できるだけこだわっていきたいと思います。

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