工具を整える

まず最初に宣言します。

私、かなりな不器用者であります。

ピンホールプラネタリウムに始まり、ソラプロジェクターや操作コンソール、それらの収納木箱などなど、確かにこれまでいろいろなモノを作ってきました。なので誤解されがちですが、これは事実です。

小さいころから、何かを作ったり分解したりするのは好きでした。
それは、モノづくりをやっている気分を味わえたから。
でも、味わえたのは気分ばかり。工作にしろ分解にしろ、きちんと成果(完成品)が得ることは少なかったです。
プラモデルも大好きでしたが、その出来栄えはだいたい悪く、それにイライラして、結局完成を見ずに放置してしまうこともたびたびでした。
そんな私がこうして投影システムを作ってお披露目したり提供したりしているのだから、本当に世の中というものはわからないものです。(外注加工品の精度に助けられているだけだったりします…)

そんな私なので、モノを作る時に心がけていることが二つあります。
ひとつは、「ゆっくりやること」
設計にしても採寸にしても、材の切り出しや組み上げにしても、とにかくゆっくりやる。
不器用あるあるかもしれませんが、早く完成させたくて各段階の作業を焦ってテキトーに進めてしまいがちです。設計、採寸や切り出し、接着や接合、そして仕上げ… 前工程が適当では、その後の工程がうまくいくはずありません。

もうひとつは、「工具を整えること」
言わずもがなですが、道具は大事です。
作業に適した道具を使うことで、正確さや仕上げのきれいさがまるで変わってきます。ありあわせのテキトーな道具でテキトーに作業してもテキトーなものが生み出されるだけだというのは、これまで嫌というほど味わってきました。

これは、ソラプロジェクターの筐体フレームを組み上げるときによく使う工具の一部。どれもホームセンターなどで簡単に入手できるものばかりで、特殊なものは使っていません。でも、これらをちゃんと場に出して、並べて、何なら使う前と使った後に拭いて、できるだけ乱雑に使わないよう心がけています。
器用な人の無駄のない手さばきをイメージしてゆっくりと。
すると不思議なことに、出来栄えもよくなる気がするのです。

木工で家具や楽器を作ったり機械を修理したりする動画が好きなのですが、匠たちの作業は静かで実に美しい。こんな風にできたらいいなーって、いつも憧れながら見ています。同じようにはできなくても、せめて工具や道具を整えて、ゆっくりていねいに。

さて、今日も作業を始めます。

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