十五夜とか中秋の名月とか、最近では〇〇ムーンとか、地球に一番近い天体として親しまれている月。
みなさんは、月が今日見えるのか、いつどこに見えるのか、わかりますか?
たぶん小学校の理科の授業で月の満ち欠けや見え方は教わったはずですが、とっくに忘れた(そもそも頭に入ってこなかった)という人も多いことでしょう。
別に月がいつどこに見えるのか知らなくたって生活はできるし、特に問題にもなりません。でも、なんとなくでも知っておきたいという人もいるでしょう。
一番手っ取り早い方法は、そういう情報サイトとかを見ること。今日は三日月とか、月の出が何時何分とか、すぐにわかります。しかし、それではあまりに風情がない。だいたいの予想くらいはパッとできるといいですよね。
ということで、ぜひ覚えておいてほしい簡単な考え方を紹介しましょう。
月は、29日から30日のサイクルで満ち欠けを繰り返しています。
新月は太陽と同じ場所に(昼間に)あるので見えず、そのあとは夕方の西の空に細い月が見え始めます。
三日月から半月になるにしたがって月の出の時間は遅くなり、半月だと夜早い時間に南の空に見えます。
ここまでで、新月からだいたい8日(約1週間)です。
その後満月に近くなると、夜早い時間にはまだ東の空にあり、遅くなるにしたがって南の空に見えるようになります。
ここまでで、新月からだいたい15日(約2週間)です。
満月を過ぎるとさらに月の出の時間は遅くなり、夜中や明け方に東の空に見えるようになります。
そして29日から30日後、ほぼ1か月後に次の新月を迎えるというのが1サイクルです。
このサイクルを把握しておくだけで、前回いつ満月だったとか、何日前に細い月が見えていたとかを覚えていれば、今日の月がいつ頃どちらの方向に見えるのか、なんとなく推測がつくというわけです。
帰宅時や夜に外出するときなど、月がどこに見えているかを推測してから空を見上げてみてください。
もっと正確に月の位置を知るには?
あまりそれを求める人はいないと思いますが、いま月がどこにいるのか、高度と方位を正確に知るためには少々計算が必要です。日時と場所(緯度と経度)をもとに位置を推算します。実際の計算式は、下記の記事で紹介した論文や文献に出ています。
たとえば、略算式という式を使って計算する場合、プログラムにするとこんな感じです。略算といってもけっこう精度が高く、プラネタリウムアプリなどでも使われているのですが、その中身はひたすら三角関数計算の羅列です。
普段なんとなく見上げている月。ちゃんと位置を知ろうとすればこんな膨大な計算が必要ですが、「今日どこに見えるかな?」というのは、わりと簡単に見当をつけられるというお話でした。